MS製品におけるテクニカル サポート インシデント(事件、出来事、ハプニング)はご存知でしょうか?簡単に言うと非本番環境における技術的な問題の解決手助けをしてくれる"有償"のサポート窓口です。
詳細は下記リンク先に記載されています。
テクニカル サポート インシデント
今回はこのインシデントの使い方と窓口の対応について記載します。
インシデントの数について
MSDNサブスクリプションの会員の場合、またはマイクロソフトと認定パートナー契約を結んでいる企業では、その契約に応じてインシデントが一定数割り当てられています。
- MSDN Premium: サブスクリプションごとに 4 インシデント
MSDN Operating Systems または MSDN Professional、MSDN Embedded: サブスクリプションごとに 2 インシデント
認定パートナーの場合はグレードに応じて変わりますので、契約されている企業の方は、パートナーサイトで検索してみてください。(記載して良いのか不明なため書きません・・・)
1つのインシデント(簡単に言うと問題)を解決すると1インシデント消費になりますが、相談した製品の問題に該当する場合(簡単に言うとバグ)はインシデントクローズ時にインシデントが返却されます(実質未消費)。
インシデントを使用するケースについて
ここが悩ましいところだと思います(こんなので質問して良いのか?どこまで質問できるのか?)。簡単に言うと、コード書いて!とか、自作メソッドが上手く動かない!以外で、MSDN製品が関わる内容を質問できます。
「Windows Server 2008上でどうやってもアクセスできない権限が足りないならどうすればいい?UACは切りたくない…」など今回私は、「Word 2007のVBAでFindメソッドを利用した際に、特定のEditionだけアプリケーションエラーが発生する」という質問をしました。
事前準備
用意するものとして次のリストが必要です。
- MSDN サブスクライバー ID 9ケタの数字
- 登録ユーザー情報(名前、メールアドレス、登録電話番号、並びに日中連絡が取れる電話番号)
アクセスID(初回に連絡を受け、次のインシデント対応時に必要になります)
- サポートを受けたい内容をまとめる
- サポート窓口に提出できる資料やログ、現象を再現できるアプリ等を用意できる場合は用意する
(あるのと無いのとでは解決に大幅な時間の差が出てくる可能性があります)
インシデントを使用する方法
テクニカル サポート インシデントに書かれている電話番号に電話します。多少たらいまわしにされるかもしれませんが、対応は早いです。
Webからだと、製品別 お問い合わせ - 製品一覧でも選択できます。製品を選択して、サポートの種類の選択画面で"有償インシデント サポートを利用"を選択してウィザードを進めるだけ。
後は、個別の製品担当者から連絡が来るので、その方に提供できる情報を全て提供して、回答を待つ形になります。
ただ、インシデントを使用する場合はある程度切迫していて、自分たちで追加調査をしている可能性がありますので、追加提供できる情報があれば、直ぐに連絡する事が早期解決へと繋がると思います。後は都度やり取りをしていきます。
インシデント対応の例(今回の流れ)
主に、電話かメールでのやり取りになります。
今回利用した例ではサポート担当者の方から次の内容が記載されたメールが届きました(内容そのまま引用は NG が出たのでざっくりと記載)。
- [インシデント内容]
- [インシデント概要]
- [インシデントに対する調査方針]
- [最終回答となる内容の確認]
- [次回連絡予定]
多分利用したことが無い方が想像している以上に丁寧で詳細な内容のサポートが得られます。経過報告や追加確認事項などの連絡も来ますので、そのまま社内への報告へと展開することもできます。
以下、実際のやり取りの流れ…(読み飛ばしても OK です。)
途中経過報告時に、今回のインシデントは、レジストリが原因でエラーが発生する事例がある事が判明し、その事例では Word の修復インストールか、Service Pack の適用をする事で解決するという報告を受けました。
そこで、修復セットアップを実行した所、無事現象は回避。
修復インストールのログやレジストリ情報を提供した所、今回のインシデントは、KB292744 に該当するということが判明しました。
#調査の裏付けとしてレジストリ情報、修復インストールログを詳細に解析してくれました。
一見解決に思えましたが、複数台端末に対して修復インストールを1台ずつ実行できるのか…?と疑問に思いそれを質問した所(この時は電話でした)
修復インストールはコマンドで実行できることを報告してくれました。Officeのセットアップコマンドで、/repair オプション(Office 2010 のセットアップのコマンド ライン オプション)を使用すると OK 。という事でしたので、バッチで簡単に該当端末に適応できることが判明して今回のインシデントは終了。
#2010とありますが、2007でも同様だそうです。/repair は2007以降で利用可能なオプション。
サポート担当者の方の対応が懇切丁寧であったこと、予想以上の報告や解決策を提示してくださったこと。利用して本当に良かったと思い、インシデントを利用する権利があっても利用したことが無い方に対して Blog で利用を推奨したいのですが良いですか?という旨連絡した所、快諾くださいました。
また、Office 2003 以前では REINSTALL を利用するので。こちらも紹介頂ければ…と追加情報まで頂きました。
セットアップ プロパティ REINSTALL
至れり尽くせり過ぎです。
まとめ
インシデントと言うと、仰々しく感じるかもしれませんが、折角あるインシデント活用してみてはいかがでしょうか。
また、とあるサポートの方が仰ってましたが、電話やメールだけのやり取りはもどかしいと感じるかもしれません。しかし、サポート担当者の方も同じ思いは抱いているので、客観的なデータなどがあると共通理解が進み早期解決に繋がります。当然ながら、質問する側がぼやけたままだと相手には伝わりません。
お互いが幸せになるには相互理解がしやすいデータをしっかりと用意してからインシデントを利用してみましょう~。
利用の流れの中にインシデント内容入れたのでわかりづらいかもしれないので、今回のインシデントのまとめ。
Word 2007 VBAで、Findメソッド使った時にアプリケーションエラーで起きる際は、KB292744 に該当していて、解決方法は修復インストールか、SP を充てること。また、Office は、コマンド対応してるので一括配信なんかもできるよ。という事でした。